週刊チャオ、まだあります

かつてチャオBBSにいた全ての人たちへ、ぼくたちはまだ"週刊チャオ"にいます。

週刊チャオが休刊した日

みなさん、お久しぶりです。チャピル (ID:014906)です。
僕のことを覚えていない方もいるかもしれませんが、まあざっくりいうと、週刊チャオを終わらせたのが私です
とはいえ、その辺りの事情を知らない方も多いのではないでしょうか?
今日は週刊チャオが終わった頃の出来事を振り返ってみようかなと思います。

 2008年7月、週チャオより先にチャオBが終わりました。
ソニックチームがメンテナンスという名目で、チャオBBSへの書き込みを停止したからです。

当時の僕は高校二年、週刊チャオの表紙を担当していました。
表紙というのは、週チャオのツリーのトップになる発言のことです。
表紙担当は部活でいうとキャプテンくらいのポジションです。

 

ソニックチームへの恨みはありませんでした。
そもそも、書き込みが停まる少し前から、チャオBの新規書き込みはほとんど週チャオだけになっていました。
チャオ育成の初心者を救済するという、チャオB本来の役割はあまり果たせていませんでした。
だから、書き込みできないという報告を聞いたときも、ついに来たかと思ったものです。

 

とはいえ、チャオBがなくなるのは週チャオにとって非常事態です。僕たちは生存者の確認を始めました。
週刊チャオには「サークル掲示板」という運営用の掲示板があり、チャオBの異変に気付いた人たちはそこに集まってきていました。
その当時のツリーがこちらです。
生き残っていたのは15人。その誰もが週チャオの存続を求めていました。
だから、僕たちはサークル掲示板で週チャオを続けることを決めました。

 

翌週、二日遅れで新しい週チャオのツリーが作られました。
このとき、たくさんのメンバーが週チャオに新しい作品を投稿してくれたり、感想を書いたりしてくれました。
この当時のメンバーは今でも呼びかければ集まってくれる人が多いです。
チャオBの崩壊という危機が、僕たちの気持ちを団結させたのです。

 

しかし、掲示板の移転で減った投稿者は元に戻りませんでした。週チャオは次第に勢いを失っていきました。
僕は、ちょうどチャオ十周年のタイミングで、週チャオを終わらせることを提案しました。
作品数のことを考えれば、当然の結論だったと思います。
でも、他の人からの反応はありませんでした。
なので、チャットルームに「もういいです。僕は今後表紙をやりません」というような書き込みをしました。
そうしてはじめて、他の人からの反応が貰えました。
終わらせることには納得できるけど、でもなんとなく抵抗がある、というような意見を複数の人からもらいました。

 

僕の意見では、週チャオが終わるというのは、チャオ小説が終わるという意味ではありませんでした。
連載はサークル掲示板で続ければいい、これまでより好きなタイミングで投稿出来るようになるんだ、という理屈で、他の人を説得しようとしました。
だけど、みんなどこかで恐れていました。
週チャオが終わったらチャオ小説もいずれ衰退して、みんなで集まる場所がなくなるんじゃないか
そんな焦りは、自分の中にもありました。

 

不安を後押しする要素はもう一つありました。
これはリアルの話なのですが、高校三年になって、いよいよ受験勉強というものに向き合わないといけなくなっていたのです。
僕はうすうす気付いていました。
大学に進学して、新しい人や環境に囲まれたら、きっとチャオ小説への興味も次第に失われていくだろうと。
チャオ小説というのは、本当は中学生くらいがかかる病気であって、こんなに長くチャオ小説に向き合っている僕たちは、みんなどこか変なのです。

 

週チャオを終わらせた後、僕は一度チャオの出ない小説を書こうとしました。
でも、できませんでした。
週チャオ用に作ったキャラクターや舞台の設定はとても充実していて、新しく用意した設定は全部陳腐なもののように思えました。
やっぱり僕はチャオ小説しか書けないんだろうか?
そんな諦めを感じながら、高校三年の六月、もう一度チャオ小説を書き始めました。
設定の全てを活用したチャオ小説を書いて、あらゆるものを出し切ろう。
そして、別れというものにポジティブな意味を見出せるような物語にしよう。

 

そうしてできたのが「チャオガーデン」という作品です。
主人公のチャオは、表紙にも登場していたお気に入りのキャラクターです。
そしてそのチャオがまもなく寿命を迎えようとしている。
なのに、他のガーデンの友達には気を遣って、まるで死なんて怖くないというように振る舞う、そんな話です。

 

このブログを書くにあたって、僕はチャオガーデンをもう一度読みました。
そして打ちのめされました。
なんというか、当時自分が悩んでいたことがすごくダイレクトに反映されていたんですね。
にもかかわらず、話として面白いし、しかもソニックシリーズの設定を巧みに活用して書かれてる。
読み返すだけで、当時の気持ちを追体験することができる。
これってすごいことじゃないですか?

 

僕にとってチャオ小説とは、黒歴史なんかじゃなくて、確実に自分を形作った正史の一部です。
今ならそういう風に自身を持って断言できます。