新しいチャオ小説を解説するよ!【鍛錬編】
チャオ聖誕祭が少しずつ近づいてくる今日この頃!
みんな、ソワソワしてるかな!?
僕なんて待ち遠しすぎて、ギャルゲーの未読文章もスキップして飛ばしまくりだぜ!
これで1日もかからずに12月23日に行ける!
もしかして僕ちゃんって天才なのかしら!?
って選択肢のところでスキップ停止したまんまじゃねーか!
ふざけんな!!
もういい!これからこの俺スマッシュが新しいチャオ小説についてレクチャーしてやるからてめえら覚悟しやがれ!!
チャオ小説とは、孤独な旅である。
チャオ小説とは、孤独な旅である。
週刊チャオが休刊した今、書いたところで読者はいない。
誰からも読んでもらえない可能性すらある。
だからチャオ小説を書くことは、孤独な旅なのだ。
しかし孤独でも、旅をすれば、人はどこかへたどり着くものである。
オイ、こいつさっきまでギャルゲーとかほざいていたくせに、なんかいい感じの話しようとしてるぞ!
誰かこの不届き者を今すぐやっつけてくれー!!
クソッ!誰もいないのか!
なら善良な市民であるこのスマッシュが代わりに成敗してくれるわーッ!!
バシシィィーーーーッ!!!
グワーーーーッ!不届き者は俺だったーーーーー!!
ハァ……ハァ……。
まさか自分自身こそが最強の敵だったとはな……。
激しく、そして苦しい戦いだった……。
チャオ小説とは、孤独な旅である。
はい、いい加減に本題入りますねー。
今回の記事は、鍛錬編、と書いてあるように、
週刊チャオ作家がチャオ小説を書きながらレベルアップをしていったお話です。
・どんな路線で腕を磨いていったのか?
・どんな名作チャオ小説が生まれたのか?
といったポイントをおさえて解説していきますよ。
僕たちは蛇を踏んでしまった
だーくさんの書いた記事でも触れられたけれども、
休刊後、チャオラーの一部はSkypeで通話しながら遊んでいました。
その中でね、小説を薦め合うこともあったんです。
だーくさんが「色々小説読んでみよっかな~~」って気分になったからですね。
芥川賞の受賞作とか、有名な作家の小説とか。
チャオ小説とは別の、普通でレベルの高い小説を僕たちは探しました。
そして私スマッシュと、だーくさんはその時読んだ小説の影響をガツンと受けることになります。
だけど一番モチベーションがあったのが、だーくさんだったからなんでしょうね。
だーくさんが見つけ出した小説こそが、僕たちの小説観を大きく揺さぶったのでした。
思い出深い小説は、
・蛇を踏む(川上弘美)
・タイル(柳美里)
の二作です。
特に『蛇を踏む』では、書き出しに魅了されました。
表題作の「蛇を踏む」は、
ミドリ公園に行く途中の藪で、蛇を踏んでしまった。
という非日常的な場面から始まります。
その踏んでしまった蛇が『踏まれたらおしまいですね』と喋り、さらには主人公の母親の振りをして主人公と共に暮らすようになるという、ものすごく不思議な物語です。
その不思議さにも僕たちはやられました。
なんじゃこりゃ、と。
さらにこの『蛇を踏む』にはもう二作品、
「消える」
「惜夜日(あたらよき)」
が収録されています。
この二作品の書き出しもとんでもないのです。
それぞれの書き出しは、
このごろずいぶんよく消える。
背中が痒いと思ったら、夜が少しばかり食い込んでいるのだった。
というものです。
この書き出しの破壊力にやられた僕たちは、短い文章で人を圧倒する表現に憧れを持つようになったのでした。
スマッシュとだーくさんは、書き出し・短文を磨くところからスタートし、
芥川賞の受賞作のような、いわゆる純文学と言われる小説に強く影響を受けてゆきました。
ヘルメタル・クラッシュとハードボイルド・ワンダーランド
2011年頃からのスマッシュとダークさんの小説は、二人の読んだ小説からの影響が見られます。
だーくさんが週刊チャオ鍛錬室に投稿した『チャオおとこ』の書き出し。
聞きなれない音がするので振り返ると、チャオおとこがキキョウの花を吸っていた。
書き出しの時点で不思議なことが起こる、という『蛇を踏む』の影響が強く感じられると思います。
そしてスマッシュは、女性作家の文章の吸収を目論見ました。
たくさんの女性作家の小説を読みましたが、実際に小説を書く際、特に参考にしたのは、『ひとり日和』(青山七恵)です。
書き出しではないのですが、始めの方にある、
この家に来たとき、わたしは自分の名前を名乗らなかった。名乗ったり呼ばれたりすることがほとんどなかったので、名前を言うのが恥ずかしかった。
などの、物語の雰囲気やテンポを吸収しようと試みました。
2012年に投稿され、今もなおスマッシュの代表作とされている『チャオアパート』にはっきりと表れています。
つまり週チャオ休刊後の、チャオ小説。
中でもスマッシュとだーくさんの小説には、
ストーリーよりも、細部や文章そのものの表現の仕方に意識が向いている
という特徴があったのです。
この点に着目して読んでみると、きっと楽しめるはずです。
オススメはだーくさんの『ヘルメタル・クラッシュ』です。
こちらは『海辺のカフカ』(村上春樹)の影響が見られる作品です。
もしよければ、実際に影響元の作品と読み比べてみるといいでしょう。
もろに影響を受けている部分があって、最高に楽しいですよ。
旅はまだ終わらない
こうして文章表現に意識を向けていた二人ですが、
今ではまた別のところに目を向けているみたいです。
新しい挑戦は「チャオ小説なんてもっと自由に書いちゃおうぜ」です。
スマッシュの場合、プロットを書かないことを試みています。
小説の書き方といえば、プロットです。
小説講座なんか見ると、プロットだの起承転結だの、よく言われますよね?
それに反抗して、ノープロット・ノープランで書いたって、そこそこ面白い小説は書けるんじゃね?
という思い付きでやっています。
この試みについては、一定の成果が上がった一方で、やっぱり本気で長い小説書くならプロットはあった方が便利ではある、という結論に至りました。
プロットは絶対に必要なものではなくて、思い通りの物語を書くための道具の一つである。
これが今の私の考えです。
そしてだーくさんは、チャオであることに縛られない、という発想をしています。
チャオ小説で、チャオが出てくるんだから、チャオらしさにこだわろう。
そういう風潮が、チャオBBSの時からありました。
週刊チャオ休刊後も、その流れは確かにあったのです。
チャオが登場することを最大限に活用した小説にしよう、と。
しかしだーくさんは、大変な発見をしてしまうのです。
それは、
チャオ小説ってもっと自由にやっちゃってよくね?
だってチャオBの時のチャオ小説って超自由だったし。
というものです!!
確かにチャオBの頃から、チャオって魔法使ったり人語喋ったりしてますからね。
もうなんでもありっしょ!
という割り切りです。
この方針が強く表れているのが、最新作の『ステンドグラス』です。
チャオがガラス製品作ったり、ガラスのドアノブ壊したり、戦ったり、裏拳かましたり、自由過ぎます。
チャオ小説は休刊後も発展を続けています!
そして今、チャオ小説はかつてのように、もしかしたら以前よりももっと、自由です!
ぜひあなたも書こう、チャオ小説!!
▼この記事でリンクしたページはコチラ!