週刊チャオ、まだあります

かつてチャオBBSにいた全ての人たちへ、ぼくたちはまだ"週刊チャオ"にいます。

ライブラリー未登録!?知られざるチャオ小説を掘り出してみた★

「チャオ小説は週刊チャオに!」

小説を新規ツリーで投稿したら、そう注意された……。
チャオBBSでよく見られた光景でした。

「チャオ小説は絶対に週チャオに載せなきゃいけないのか?」

当時の議論のテーマでした。
週刊チャオ編集部の公式見解は「強制はしない」です。

しかしログが流れないようにしたいなどの思いがあって、
「週チャオっていう場があるのだから、週チャオに投稿すべき」
とおっしゃる方も結構いた印象があります。

その是非はここでは置いておきます。
なにはともあれ、そのおかげで現在、週刊チャオライブラリーにはたくさんのチャオ小説が保管されています。

でもライブラリーに登録されていないチャオ小説が、
この世には存在することを、あなたはご存知ですか?

実はチャオBの外でも、
チャオ小説を見せ合う場所が育まれていたのです。

この記事では、私が偶然発掘に成功した、
知られざるチャオ小説を紹介します!

 目次

チャオ小説、もう一つの掲載場所!?

チャオB、週チャオ以外にチャオ小説を載せる場所。
それは土星さんの管理していた個人サイト、
土星LIBRARY」です。

土星LIBRARYが誕生したのは2004年6月です。
それ以前から土星さんは、小説だよりというスレッドを立てるなどして、チャオラー同士の交流の場を作ることに積極的でした。

小説だよりとは、
・連載中のチャオ小説の番外編
・チャオ募集
・宣伝
を投稿するためのスレッドでした。


初期は水曜日に立てられていたことからも、週刊チャオだけでは物足りない人のための補完スレッドを目指したものと考えられます。

土星LIBRARYは、この小説だよりの考えの延長線上にあると私は考えています。

事実このサイトは、チャオBBS以外でチャオラーが交流する場所として機能します。
お絵かきなど、チャオBBS上ではできない遊びに満ちていたことが人気の理由の一つでした。

当サイトの主なコンテンツは、
土星図書館
お絵かき掲示板
・お絵かきチャット
・小説投稿掲示
です。

土星図書館は今で言うところの週刊チャオライブラリーに近いコンテンツです。
土星さんのチャオ小説及び、チャオラーから寄贈されたチャオ小説が納められていました。

お絵かき掲示板、お絵かきチャットは、チャオBではできないことの筆頭でしょう。
お絵かき掲示板の方にはチャオ小説に登場するチャオの絵が連日投稿されました。
文字だけでなく絵でもコミュニケーションの取れるお絵かきチャットは笑いの宝庫でした。

そして小説投稿掲示板。
ここには、チャオ小説作家がこのサイトのための新作を投稿していました。

そう、ここに投稿されたチャオ小説は土星LIBRARYでのみ読めるチャオ小説」だったのです!
もちろん週刊チャオライブラリーには登録されませんでした。

さらに土星LIBRARYは閉鎖し、小説掲示板に投稿された小説にはアクセスできなくなりました。

知られざる小説の正体は!?

はたして土星LIBRARYには、どのような小説が投稿されていたのでしょうか?
今回、なんとかサルベージに成功した作品を三つ紹介します。

・はちゃめちゃお(作者・だーく)
暴れん坊ラインと、発明家のバウスの物語です。
ライン、バウスはシャドウの冒険にも登場しました。

・大洋の冒険~オーシャンアドベンチャー~(作者・ろっど)
海しかない星でチャオたちが冒険する物語です。
って、海上の冒険とコンセプト丸被りだど大丈夫!?

・二種類の存在(作者・スマッシュ)
天然チャオと人工チャオ。
人間とアンドロイド。
自然に生まれたものと人の手で作り出されたものという二種類の存在が戦いの中で交差する物語です。

私の作品「二種類の存在」ですが、
サルベージできた分に登場人物紹介もありました。
しかもそこに色々な設定が書かれていて、
一番拾えた情報量が多かったんですね。

なのでここから「二種類の存在」を詳しく紹介します!!

幻の作品、二種類の存在は超面白いチャオ小説だった!(自薦)

これから「二種類の存在」がいかに面白くて意欲的なチャオ小説だったかをみなさんに紹介します。

主な面白さは、
PSOに影響受けまくりのすこしSF!
・良い感じにかっこつけたネーミング!
です。

これらについて掘り下げていきますが……
その前に一言いいっすか!?

ちょっと気取っているけど、もっとストレートにかっこいいタイトルつけなさいよ!!

ありがとうございます。
すっきりしました。

なんでストレートにかっこよく、と言ったのか。
それはこれから語る、当作品の魅力を見ていただければわかると思います。

PSOに影響受けまくりのすこしSF!


この小説にはアンドロイドが登場します。
見た目は全身鎧人間みたいなふうに紹介されます。
もろPSOのキャストです。
PSO……ファンタシースターオンライン。SONICTEAMが制作したオンラインゲーム)

ここから派生して、人工チャオという設定が出てきます。
この小説ではみんなの知っているチャオはかなり数を減らしています。
代わりに生み出されているのが人工チャオ。

見た目も普通のチャオとは異なっています。
初めて天然のチャオを見た主人公は、
「チャオの亜種か?」
と思います。

人工チャオという設定のおかげで、
今までのチャオとは違った特徴を持ったキャラクターを登場させられそうです。

ヒコウタイプに似ているけれど、羽がもう一対の手として使えるように進化したチャオ、とか。
手として使える細やかな可動性を手に入れた代わりに、ヒコウタイプに似ているにもかかわらず飛行能力は低いのです。

人工チャオって、いろいろなチャオを考えられる素敵なアイデアですね。
なお当時の私にそこまでのアイデアがあったかと言うと……
全然なかったですけどね!あはは~★

・良い感じにかっこつけたネーミング!


キャラクターの名前がいい感じにかっこつけてます。
ライトノベル路線で小説書く時に転用したいくらいです。
なので一部のキャラクターの名前と役どころを紹介しましょう。

時村 源武(ときむら げんむ)

「どうせなら俺の相棒になれ」
「うるせえ。勝てる勝負だったらとっくにやってる」

主人公です。
ろくでなし系の人間で、年齢設定は32歳と高めです。

30代が主人公ってあたりもいいですよね。
若者にはない渋さが出て、ここぞという時に凄くかっこいい活躍をしてくれそうです。

ムゲン

「なぁ、あんた。俺を助けてくれんか?」
「亜種?とんでもねぇ。ちゃんとしたチャオだよ」

主人公の相方となる天然チャオです。
ゲンムに対応してムゲンっていう安直さがむしろかっこいいですよね。
ダークチカラチカラチャオです。

天然チャオは能力や知力が人工チャオより優れているそうです。
天然と人工、どっちのスペックを上にするかは悩みどころですね。
たぶんこの小説では、人工チャオは外部ツールで能力の外上げをする発想なのではないかと思います。

フロンティア

「寝起きは寝ぼけていて動きが鈍いです」
「……冗談です」

起動されたばっかりの最新アンドロイドです。
もう一人の主人公的なキャラクターです。
一人称は「僕」の可愛い少年型アンドロイドです。
感情表現が豊かに設定されていて、おとぼけ感あって尚更可愛いのです。

たぶん当時の私は全然考えていなかったでしょうけど、こいつ源武と組ませたら面白いコンビになりますね!

ファースト

「俺はアンドロイドのファーストだ」
「只今帰還した」

一番目のアンドロイド。だからファーストです。
感情面は技術不足もあってか、ほとんどないも同然のようです。
黙々と仕事をこなすプロフェッショナル的なキャラですね。

ロボットキャラの定番を行く性格で、だからこそサブキャラとして光るものがありそうです。
ちゃんとこういうキャラを置いておくところも当時の私の優秀さでした。


設定だけ書き出せば、今でも少年向けで通用しそうです。
これを自分が2004年に投稿していたという衝撃はすごかったです。

肝心の本編は文章力と構成力のなさでだいぶ見劣りしていましたが!
それとタイトルのセンスのなさ!

ここらへんのおかげで「今の自分の方がうまい小説書けるぞ!」と胸を張って言えそうです。

しかしこんな力作がひっそりと投稿されていたことは驚きです。
どうして週刊チャオではない、別の場所に力作は投稿されていたのでしょうか?

私自身が当時感じていたのは、
・特別感
アンダーグラウンド
です。

通常、チャオ小説はチャオBBSに投稿されます。
週チャオ・チャオBBSとは違う場所に投稿すること自体が特別なことでした。
みんなが週刊チャオで読んでいるチャオ小説とは違う小説が、ここでは読めるよ。
っていう感じがあったんですね。

しかも小説投稿掲示板の背景は黒色でした。
この黒い背景がアンダーグラウンド感を付与していました。
ここは週チャオとは違うんだぜって雰囲気をかもし出していたのです。

だからこそチャオBBSに投稿する小説よりもハードで作り込まれた小説を投稿したいと考えていたんですね。
そういう「とっておき」を投稿する気にさせるのは、土星さんの人徳によるものだったのかもしれません。

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